作成意図
機械いじりを趣味にしている人間として一番身近な電気部品といえば、モーターだと思います。モーターにもさまざまな種類があり選定も大変なものですが、今回はモーターに取り付ける減速機(ギアボックス)を設計してみたいと思います。
はじめからギアモーター買えばいいじゃんと思う方もいるかもしれませんが、自分の望む減速比を満たす市販品がなかったり、後から減速比を変更する可能性のある場合は減速機を作ってしまうのも手でしょう。まぁ、僕もモーターを使っての工作は何度もしている中で減速機を作ろうと思ったことはないのですが、初めての機械設計にはよい題材だと思うので・・・。
原理・しくみ
機械の設計をするうえで軸の回転を考えるときによく出てくる言葉に、トルクと回転数があります。トルクは軸を回転させるためのパワー、回転数はその名の通り1分あたりに何回回転するのかという指標です。難しい話は専門書を読んでもらうことにして、誰にでもわかるように結論を書いてしまうとトルクと回転数は反比例の関係にあります。自転車をこぐときに1速で走ると少ないパワーでこげますが、たくさんペダルを回転させないといけません。5速で走れば大きなパワーは必要ですが、回転数は少なくて済みます。こんな感じです。
今回のテーマでは、減速機というものを使って回転数を下げる代わりに大きいトルクを引き出すことを考えたいと思います。次の章に設計仕様をまとめます。実際に確認し、どんな構造で設計するか皆さんも構想を巡らせてみてください。
設計仕様
使用モーター:CPH80-F(コアレスモーター)。出力軸径はΦ12、キー溝あり。
本体構造:モーターのフランジに直接取り付け。ゴミ・ほこり防止のため箱状にし、内部はねじ止めにより密閉のこと(厳密な密閉は必要ない)。減速機内への油などでの充填は不要、機構部にはグリスなどで潤滑を実施。出力軸側に減速機取り付け用M6タップを4か所開けること。
入出力の軸関係:入力軸と出力軸は45°傾ける。図を参照のこと。
減速比:1:100とする。
その他:量産予定はなし。一点ものとして、強度を保証したうえでなるべく安価に製作すること。
次回より設計を進めていきます。次のページはこちら
コメント